- PEを200m巻くのに、下糸が何m要るのか分からない
- 糸巻き量の計算がややこしくて、途中で手が止まる
- スプールでPEが滑ると聞いて不安になっている
- 自分で巻くと、きれいに巻けている自信がない
結論から言うと、下巻きにはナイロンの3号を使ってください。そして下糸の量は計算しません。逆から巻いて決めます。
伊勢湾ジギング歴15年のアングラーが、下巻きが足りずにPEが200mでは届かなかった話と、テンションが甘くて青物に食い込まれた話から、正直に書きます。
- 下糸の役割は2つ。滑り止めと、スプールを埋めるかさ増し
- 下巻きはナイロン3号。太いと段差になり、細いと微調整できる
- 下糸の長さは計算しない。先にPEを巻いて、逆から測る
- テンションは巻くときにしかかけられない。あとから直せない
結論:下巻きはナイロンの3号|下糸の長さは計算しません

下巻きにはナイロンの3号を使ってください。号数さえ合っていれば、銘柄は問いません。
巻き終わったとき、こういう状態になっていれば正解です。
- いちばん下に 下糸(ナイロン3号)
- その上に PE
- 巻き上がりは スプールのフチから1mmほど隙間が残るところ
私はスピニングリールに巻いていますが、目安はこの「1mm」です。ぴったりフチまで巻くのでも、明らかに浅いのでもありません。
スプールがここまで埋まっていないと、リール本来の性能が出ない可能性があります。 下糸は、その「埋める」役をしています。
そこで問題になるのが、下糸を何m巻けば、この状態になるのかです。
糸巻き量を計算するツールはメーカーが用意していますが、私は使っていません。先にPEを巻いて、逆からたどって決めます。 やり方はこのあと説明します。
PEそのものの号数選びは釣りものによって変わります。伊勢湾の青物なら、伊勢湾ジギングのPEの号数にまとめてあります。
下糸の役割は2つあります
下糸には、役割が2つあります。
- 滑り止め:PEがスプールの上で空回りしないようにする
- かさ増し:スプールを適正なところまで埋めて、リールの性能を出す
順に見ていきます。
① 滑り止め|下糸がないとPEはスプールの上で空回りします
PEはナイロンやフロロと違って、表面がつるつるしています。金属のスプールに直接巻くと、そこで滑ります。
滑るとどうなるか。魚が掛かってラインが引き出されたとき、糸だけがスプールの上を回って、リールを巻いても糸が出ていくという状態になります。糸の途中が切れたわけでもないのに、魚を寄せられません。
下糸を1層入れておくと、PEはナイロンの上に乗ります。ナイロン同士・PEとナイロンの間には摩擦があるので、ここで滑りが止まります。
② かさ増し|スプールが埋まっていないと、リールの性能が出ません

スプールは、端から1〜2mmのところまで糸が来ている状態が適正です。ここまで巻けていないと、リール本来の性能が発揮されない可能性があります。
そこで問題になるのが、必要な長さと、スプールの容量が合わないことです。
たとえば1.5号が400m入るスプールがあるとします。水深100m前後を釣るなら、PEは200mあれば足ります。それに、PEは200mや300mといった単位で売られています。
つまり、必要なのは200m。でも200mだけ巻くとスプールは埋まりません。
ここで下糸の出番です。足りない分を下糸で埋めて、その上にPEを200m乗せる。 これでスプールは適正まで埋まり、PEは必要な量だけで済みます。
400mのPEと多少のナイロンで巻くこともできますが、使わない分にまでお金を払うことになります。
下巻きにナイロン3号を使う理由|段差ができず、巻き量を微調整できます

ナイロンの3号にしている理由は2つあります。
太いラインは段差になります。下糸が太いと、巻いた表面に凹凸が残ります。その上からPEを巻くと、PEがきれいに寝てくれません。巻きムラのあるスプールは、キャストでも巻き上げでもトラブルの元になります。
あとは、細めのほうが量を微調整できるからです。太いラインは1周巻くだけで厚みが大きく変わります。3号くらいなら、あと少しだけ足す・少しだけ減らすという調整が効きます。
3号であれば、銘柄はこだわらなくて大丈夫です。下糸は水に触れる部分でもなければ、魚と直接やり取りする部分でもありません。求められるのは「滑り止めになること」と「厚みを調整できること」の2つだけです。
私が使っているものはもう売っていないので、いま手に入るものは記事の後半で挙げておきます。
下糸は何m必要か|計算せずに、逆から巻いて決めます
いちばん困るのはここだと思います。「PEを200m巻くのに、下糸は何m要るのか」。
結論、私は計算しません。逆から巻いて、実物の長さで決めます。
手順はこうです。
- リールのスプールに、先にPEを200m巻く
- その上から下糸を巻く
- スプールのフチから1〜2mm残るところで、下糸を切る
- リールから空のスプールへ巻き取る(下糸から出てきます)
- そこからもう1つの空スプールへ巻き取る(今度はPEから出てきます)
- 最後にリールへ巻き戻す(下糸から入って、その上にPEが乗ります)
空のスプールは2つ用意してください。 1つだと入れ替えができません。
これで下糸もPEも、ちょうどいい量で収まります。下糸を何m巻けばいいかを、一度も計算していません。
正直に言うと、工程は多いです。 巻いて、ほどいて、また巻く。それでも私はこの方法にしています。計算より確実で、きれいに巻けるからです。
リールのスプールのマークはずれることがあります
機種によっては、スプールにマークが入っていて、そこから糸巻き量を計算できます。
ただ、結構ずれます。 目安としては使えますが、しっかり巻きたいときは、上の逆巻きのほうが確実です。
なぜ「200m」で考えるのか
理由は2つあります。
1つ目は水深100mまでのポイントでの釣りであれば200mあれば万が一高切れしても耐えうる長さであること。
2つ目は販売されているPEは200mや300m単位で売られていることが多いからです。
つまり「買ったPEをまるごと巻く」のが前提になりやすい。だから調整するのは下糸のほうになります。PEの長さに合わせて下糸を決める、という順番です。
カウンター付きのリールは、巻く前に設定します
ベイトリールを使う人向けの話です。スピニングだけの人は読み飛ばしてください。
カウンター付きのリールには、下糸とPEの設定があります。これは巻く前にやってください。
設定してから巻くことで、何m巻いたかがリール側に記録されます。 そこではじめて、カウンターの数字が正確になります。
手順はリールごとに違うので、取扱説明書を確認してください。メーカーのサイトに、型番ごとに掲載されています。
伊勢湾のライトジギングで使うカウンター付きのモデルは、カウンター付きのベイトリールで紹介しています。
PEの巻き方の手順|テンションは糸巻き機でかけます
順番は「下糸 → PE」です。
- スプールに下糸(ナイロン3号)を巻く
- 下糸の上からPEを巻く
糸巻き機は、机など動かないものに固定してください

先に1つだけ注意です。
この記事の写真では、糸巻き機をタックルボックスに固定しています。これは撮影のためです。
テンションをかけると、思ったより力がかかります。軽いものや動くものに付けると、途中でずれたり倒れたりします。
普段は机など、しっかりした動かないものに固定してください。

下巻きとPEは電車結びで繋ぎます
私は電車結びで繋いでいます。
電車結びは、2本のラインを並べて、お互いのラインに結び目を作り、両側から引いて2つの結び目を寄せる結び方です。名前のとおり、結び目が連結して1本になります。
ここで凝った結びを使う必要はありません。理由は場所です。
下糸とPEの継ぎ目は、スプールのいちばん下の層に入ります。通常の釣りで、そこまでラインが出ていくことはありません。ガイドを通ることも、魚とやり取りすることもない場所です。
だからここで求められるのは、強さよりも「小さくまとまること」です。継ぎ目がごつくなると、その上に巻くPEに段差が出ます。下糸を細くする理由と同じ話です。

テンションは巻くときにしかかけられません

このとき一番大事なのがテンションです。私は糸巻き機を使っていて、テンションもその機械でかけています。
なぜ手で引っ張るだけでは足りないのか。**指で押さえる強さは一定になりません。**巻き始めは強く、後半は疲れて弱くなります。強さがばらつくと、弱く巻けた層が下に残ります。そこが後で効いてきます。
糸巻き機を使うと、最初から最後まで同じ強さで巻けます。私は一人で巻くので、テンションをかける役を機械に任せているという言い方が近いです。
テンションは、巻くときにしかかけられません。巻き終わってから締め直すことはできないので、ここだけは手を抜かないでください。
電動ドライバーが効くのは「巻き取るとき」です

糸巻き機のシャフトには、電動ドライバーを取り付けられます。
ただし、使えるのは糸巻き機の側で巻き取るときだけです。この記事の手順でいうと、リールから空スプールへ移すときがそれにあたります。
逆に、リールに巻くときは、リールのハンドルを回します。 ここは電動ドライバーでは巻けません。
逆からたどる方法は工程が多いぶん、巻き取る場面が出てきます。そこを機械に任せられるだけでも、だいぶ楽になります。
電動ドライバーは、専用のものを買う必要はありません。私は手持ちの2本を使い分けています。
- ドリルドライバー:しっかり握れて、長い距離を巻き取るときに楽
- ペン型(電ドラボール):軽くて取り回しがよく、少しだけのときに便利
どちらも釣り用の道具ではありません。家にあるものが使えます。

私がやらかした2つの失敗
失敗談を2つ書きます。どちらも私が実際にやったことです。
失敗① 下巻きが少なくて、PEが200mでは足りませんでした
下巻きの量を少なめにして、その上にPEを200m巻きました。
結果、200mを巻き切ってもスプールが埋まりませんでした。 フチまで1〜2mmのところに届かず、スプールに余りが出たのです。
下糸で埋まっていない分は、PEで埋めるしかありません。つまり「200mでは足りない状態」を、自分で作ってしまったわけです。
浅く巻けたスプールは、ラインの放出が安定しません。結局、もう一度巻き直すことになりました。
下糸は「PEで埋まらない分を埋めるもの」です。PEの長さを先に決めて、残りを下糸で埋める。この順番で考えると間違えません。
これが、先にPEを巻いて逆からたどる理由でもあります。あの順番なら、下糸の量を読み違えようがありません。
失敗② テンションが甘くて、青物にラインを食い込まれました
もうひとつは、テンションを掛けきれていなかったときの話です。
巻いた時点では気づきませんでした。見た目はきれいに巻けていたからです。
そのまま青物が掛かって、ラインがスプールに深く食い込みました。強い引きでラインが引き出されるとき、上の層が下の緩い層にめり込みます。そうなると次の放出が引っかかり、最悪はそこで切れます。
運良く切れずにキャッチできましたが、あれは運が良かっただけです。リールを巻いた日の作業が、魚を獲れるかどうかを決めていたわけです。
せっかく掛けた魚を獲れなければ、血抜きも料理もありません。獲った魚をおいしく持ち帰る手順は釣った青物の血抜きと持ち帰り方にまとめています。巻き替えは、その一番手前にある作業です。
巻き替えのタイミング
私が巻き替えるのは、次の3つのどれかです。
- 傷んだとき
- 高切れしたとき(ラインの途中から切れたとき)
- 色落ちが目立ち始めたとき
色落ちについては、判別できなくなるまで待つ必要はありません。 マルチカラーのPEは10mごとに色が変わり、その色で水深を読みます。目立ってきたと感じた時点で十分です。
号数ごとの寿命や選び直しの基準は、釣りものごとの記事にまとめてあります。
私が使っている道具
巻き替えに使っているものを挙げます。PEと下糸、糸巻き機、それを回す電動ドライバーの3グループです。
KUROSAWA PEライン X-CORE
まとまった長さを1本で持っておきたい人に向いたPEラインです。
- メリット:5色のマルチカラーで10mごとに水深が読める。長い巻きを選べるので、巻き替えのたびに買い足さなくて済む
- ここが買い!:号数と長さの選択肢が広く、ジギングでもイカメタルでも同じ銘柄で揃えられる
ヤマトヨテグス ナイロンライン ジャスト 1000m 3号
下巻き用のナイロンを、銘柄で迷いたくない人向けです。
- メリット:3号・1000m巻きで、リール何台ぶんもの下巻きがまかなえる。下糸に必要な条件は号数と量なので、これで足りる
- ここが買い!:下巻きは消耗品と割り切って、まとめて持っておきたい人
DRESS マキシマムワインダー EZ 糸巻き機
私が今回使ったのがこちらです。まず1台目を選ぶ人に向いています。
- メリット:テンションを調整しながら巻けるので、最初から最後まで同じ強さで巻ける。本体が軽く、折りたたんで専用袋にしまえる
- ここが買い!:置き場所を取りたくない人。使うときだけ出して、終わったらしまえる
DRESS マキシマムワインダー EVO 糸巻き機
同じシリーズの上位モデルです。リールを固定するパーツが付いています。
- メリット:リールを固定できるので、押さえる手が要らない。本体がしっかりしていて、力をかけても動きにくい
- ここが買い!:巻く本数が多い人。毎回の安定を優先したい人
EZとEVOは、固定パーツが要るかどうかの好みで選んで大丈夫です。巻ける結果は変わりません。
HiKOKI 14.4V ドリルドライバー FDS14DF
長い距離を一気に巻きたい人向けの1本です。
- メリット:握りが大きく、200m級を巻き取っても手が疲れにくい。バッテリー式なのでコードが邪魔にならない
- ここが買い!:釣り以外のDIYでも使う人。1本あると家の中でも出番がある
ベッセル 電ドラボールプラス 220USB-P1
軽く取り回したい人向けのペン型です。
- メリット:手のひらに収まる大きさで、取り回しがいい。USBで充電できるので置き場所を選ばない
- ここが買い!:大きな工具は置きたくない人。少しだけ巻き足したいときにも出しやすい
もうひとつの定番|第一精工 高速リサイクラー2.0
両方使ってみて、いまはDRESSのマキシマムワインダーをお気に入りで使っています。
先に大事なところを言うと、どちらも適度にテンションを掛けられます。この記事でいちばん大事な部分は、どちらを選んでも満たせます。
そのうえで、性格の違いはあります。
- ギア比:第一精工が3.5:1、DRESSが4.5倍速。回した分だけ速く巻けるのはDRESSです
- ベアリング:第一精工が3個、DRESSが5個
- 重さ:DRESS EZが350g、第一精工が460g、DRESS EVOが560g
回転の速さと軽さで選ぶならDRESS、定番で選ぶなら第一精工。どちらを買っても、巻けないということはありません。
第一精工 高速リサイクラー2.0
どれを買うか迷ったときに、いちばん外しにくい1台です。
- メリット:この分野の定番で、使っている人が多い。ショートとロングの2種類のシャフトが付いていて、ボビンの大きさに合わせられる
- ここが買い!:初めて買う人。困ったときに調べれば情報が出てくるほうがいい人
まとめ
最後に、記事の中で言い切れなかったことを1つだけ足しておきます。
巻き替えは、道具の手入れではなく釣りの一部です。
下巻きが足りていなければ、その日のラインの出方が変わります。テンションが甘ければ、魚が掛かった瞬間に食い込みます。どちらも、船の上では直せません。
逆に言えば、家で30分かけておけば防げるトラブルでもあります。私が青物を切られずに済んだのは運でしたが、運に頼らなくていい部分は自分で潰せます。
はじめの1回だけ手順を通してしまえば、あとは同じことの繰り返しです。
まずは下糸をナイロンの3号にして、PEを高速リサイクラーかマキシマムワインダーでテンションをかけて巻く。ここからスタートしてみてください。
巻き終わったら、次はPEとリーダーを結びます。船の上で慌てないための道具はFGノットを結ぶ道具にまとめました。
